先生がいてくれるなら②【完】
修学旅行の引率ほど面倒な物は無い。
あいつらは楽しい旅行かも知れないが、引率する教師は重労働だ。
夜の見回りで睡眠時間もほとんど無いだろうし。
ああ、思い出しただけでブルーな気分だ。
そんな事を考えながら、明日のスケジュールの確認をしていた。
ふと時計を見ると、もう12時だった。
「おかしいな……」
立花が来ない。
準備室を出て、教室棟の廊下を見上げる。
全てのクラスがホームルームを終えたようで、既に下校しているようだった。
準備室の鍵をかけ、2年5組の教室の前まで行くことにした。