先生がいてくれるなら②【完】
「相手は、男? 女?」
「……女の子です」
「そう……相手が女の子で、まだ良かったかな。男だと兄さんが殺しかねないですから」
光貴先生の物騒な言葉に、私は少し困惑した。
「身体、痛む?」
「……はい、少し」
「そうだよね。頭が痛かったりはしない?」
「それは大丈夫です」
「脱水症状もあったから、しばらく点滴は取れないからね。不便だけど我慢してね」
「はい」
「運ばれた時にCTも撮りました。異常は無かったけど、頭は怖いから、こっちも念のため様子を見ます。何か些細な事でもいいから体調に不安があったら教えてね。必ず」
「はい」
私が小さく頷くと、光貴先生は優しく微笑み返してくれた。