先生がいてくれるなら②【完】
「えっ、あっと、でもっ、私と孝哉先生は、何も無いので……っ、えっと」
「今は、ね」
「い、い、い、今はも、何も! 先生と私は、“先生” と “生徒” で……」
「あれ? 立花さんは兄さんのこと、好きじゃない?」
「え、いや、好きですけど……って、えっ、ちょっと待って下さい、それ誘導尋問ですっ!」
あたふたと焦る私に、光貴先生は余裕の笑み。
こう言う所、この兄弟は似てるって本当に思う……。
うぅっ、勝てる気がしない……。
「だからね、僕から先に謝っておきます」
「えっ、えっと、……?」
「まぁ、そのうち分かる、かな」
光貴先生の言葉は一体どう言う意味なのか、全く分からない。
でも光貴先生はそれ以上何も説明してくれなかった。