先生がいてくれるなら②【完】
入院翌日の夜、修学旅行に行った先生から携帯に電話がかかって来た。
病院の消灯時間は夜の10時で、その時間はもうとっくにまわっている。
『起きてた?』
「はい。昨日寝過ぎたのか、慣れない所にいるからか、全然眠れなくて」
『体調は、大丈夫か?』
「はい、大丈夫です」
『身体は? 痛まない?』
「ちょっとだけ痛いけど、慣れてきました」
『何かあったら、すぐに光貴に言えよ。真夜中でも叩き起こしていいから』
いや、叩き起こしませんよ。
万が一なにかあっても、ナースコールすれば夜勤の看護師さんが来てくれるし。
でも、なんだか今日の先生は優しくて、ちょっと嬉しい。
ついニヤニヤしちゃう。