先生がいてくれるなら②【完】

その人が誰なのか、すぐに分かった。


この男性と同じ雰囲気を纏う人物を、私は二人、知っている。



私は、その人物の元へゆっくりと歩み寄った。



「あの、こんにちは……」


私がおずおずと声をかけると、その男性は小さく頷く。


「初めまして、私──」


私の言葉を、男性は軽く手をかざす事によって途中で遮った。


「きみと少し話がしたい。着いて来なさい」


言葉は少し強引だけど、彼の醸し出す雰囲気は言葉のそれとは違ってとても柔らかい印象だ。


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