先生がいてくれるなら②【完】
「君たちは、教師と教え子と言う難しい関係にある。それを自覚しているかね?」
教授の顔は、とても真剣な表情だった。
私はしっかりと頷く。
「それでも、あれを慕うと言うのか」
「はい。私の気持ちは変わりません」
「年上に対する憧れだけなのでは……?」
私は大きくかぶりを振る。
「それは私も何度も考えました。なぜ孝哉先生なのかと。でも、何度考えても……私の答えは同じです。私は先生が、好きなんです。何に代えても守りたいと思うし、どんな時でも私は先生の味方でいたいと思っています」
私がそう言うと、教授は少し目を見開いて私をじっと見つめ、そしてフッと表情を緩める。