先生がいてくれるなら②【完】
自分に嘘はつけない。
いま教授に言った事は全て、私の本心だ。
こんな答え方はおかしいと、自分でも分かってる。
ただの片思いの私が言う言葉では無い。
だけど、どこがどんな風に好きなのかを言っても、きっとそれは意味の無いことだから。
私がどんな覚悟で先生のことを好きなのかを、伝える必要があると思ったから……。
藤野教授は「そうか……」と小さく呟いたあと「時間を取らせて申し訳なかったね」と言って、ゆっくりと立ち上がった。
その言葉に、私も立ち上がる。
「いえ、お話し出来て良かったです」
私が部屋を出ようと扉の前に立つと、藤野教授は「ああ、もうひとつ…」と言って私を止めた。
そして、私の目の前まで歩み寄る。