先生がいてくれるなら②【完】
教授が何をおっしゃるのかと待つ私の前を通り過ぎ、部屋の扉を開けた。
扉の外には光貴先生が立っていた。
「光貴。彼女を病室まで送ってあげなさい」
光貴先生は頷き、教授に向かって小さく頭を下げる。
教授の視線に促されて私が部屋を出ると、教授は私に向かって、一度引き留めてまで伝えたかった最後の一言を微笑みながら口にした。
「君に、次に会えるのを楽しみにしてるよ」
私は教授に向かって頭を下げて、光貴先生とその場を後にした。