先生がいてくれるなら②【完】
その日の夜──。
修学旅行から帰って来る日。
クラスのみんなはもう家に帰ってるだろう。
楽しかっただろうな。
私も行きたかったなぁ。
先生も家に帰ってるだろうか。
引率、きっと大変だったよね。
あーあ、沖縄、行きたかったな!
袖を捲って点滴から自由になった腕を見ると、念のため、と言われ数日間針を刺し続けた腕には、蹴られた時の痣とはまた違った感じの、青紫色の跡が残っている。
これはこれで地味に痛い。