先生がいてくれるなら②【完】
俺は職員室に走った。
職員室には二学年の教師と養護教諭、教頭が在室していた。
誰に声をかけるか逡巡したが、養護教諭にそれとなく立花を見かけなかったか尋ねてみる。
「いえ、保健室には来ていませんし、今日は見かけていませんね」
「そうですか、分かりました、ありがとうございます」
こんな時間に彼女の事を尋ねて不審に思われなかったかと言う不安は残るが、仕方がない、立花の事が優先だ。
もう一度準備室へ戻ったが、立花は来ていない。
彼女が立ち寄りそうな場所を確認して回ることにした。
と言っても、立ち寄りそうな場所に、実は全く心当たりが無い。
ひとまず、二学年が使用するトイレに施錠されたままの所が無いか確認をするが、どこも無人だった。
一学年と三学年のトイレも確認しようとしたが、まだ授業をしているようなので女子トイレに近寄るのは断念した。