先生がいてくれるなら②【完】
入り口すぐの壁にもたれかかるようにして、先生が立っている。
「お前、どんだけ退屈なんだよ」
「えっ、先生っ、いつの間に……っ」
私は焦って身なりを整えて、先生の元に駆け寄った。
「んー? 一回目の『退屈』の、ちょっと前ぐらい?」
「えーっ、もっと早く声かけて下さいよ~!」
み、見られてた……恥ずかしすぎるっ。
「お前が面白すぎて、観察してた」
「もう!……先生、おかえりなさい」
「うん、ただいま」
久しぶりに見る先生の笑顔に、私の胸がきゅっとなる。
やっぱり先生の威力はスゴイ。
ほんの数日会わなかっただけで、私の中ではすごい喪失感だったもん。