先生がいてくれるなら②【完】

特別教室A棟に向かいながら、彼女の自宅に電話をかけてみるが、留守番電話になっている。


もう一度今度は彼女の携帯にかけるが、やはり無機質なアナウンスが “電源が入っていない” と知らせるばかりだ。


どんどんイヤな予感しかしなくなって来て、手の平に嫌な汗が滲む。



「立花、どこにいる……?」



A棟の屋上扉と全ての教室の施錠を確認し、トイレも確認して行く。


4階から順に、1階へ──。



かなりの移動距離だが、全てを確認しないわけにはいかない。


A棟を確認し終え、B棟へと移動する。


4階まで駆け上がり、再び1階までの全ての階を確認した。



「いないか……」



さすがに息が切れる。


腕時計で現在の時刻を確認すると、13時前だった。


< 7 / 354 >

この作品をシェア

pagetop