先生がいてくれるなら②【完】
特別教室A棟に向かいながら、彼女の自宅に電話をかけてみるが、留守番電話になっている。
もう一度今度は彼女の携帯にかけるが、やはり無機質なアナウンスが “電源が入っていない” と知らせるばかりだ。
どんどんイヤな予感しかしなくなって来て、手の平に嫌な汗が滲む。
「立花、どこにいる……?」
A棟の屋上扉と全ての教室の施錠を確認し、トイレも確認して行く。
4階から順に、1階へ──。
かなりの移動距離だが、全てを確認しないわけにはいかない。
A棟を確認し終え、B棟へと移動する。
4階まで駆け上がり、再び1階までの全ての階を確認した。
「いないか……」
さすがに息が切れる。
腕時計で現在の時刻を確認すると、13時前だった。