先生がいてくれるなら②【完】
頬をつついていた先生の手が、少し赤くなってしまった部分を癒やすように優しく滑る。
その優しい仕草と私を見つめる美しく妖艶な表情に、今度は違った意味で頬が赤くなるのが自分でも分かった。
先生の顔が近づいて来て……私が身構えると、先生は私の様子を見てクスッと笑って、私のおでこに自分の額をコツンとくっつけた。
顔が……顔が近い、近すぎる……。
「ねぇ、立花……」
先生の声が、とても甘い……。
ドキドキしすぎて、声が出せない……。
「これだけは、俺から言わせて」
「なん、ですか……?」
顔が近い。先生の吐息がかかる。そして、甘い声……
だめ、限界……。
どうしよう、ドキドキしすぎて、頭が回らない……。