先生がいてくれるなら②【完】
「明莉、ごめんね、気付いてあげられなくて……それに、お見舞いも、行けなくて……うぅっ」
「大丈夫、すぐ退院だったし。私こそ、一緒に修学旅行に行けなくて、ごめんね」
私が謝ると、美夜ちゃんはブンブンと首を横に振った。
美夜ちゃんが私の手をギュッと握る。
私も、美夜ちゃんの手を握り返した。
──ふふっ。
お互い、泣きながら微笑み合う。
「学校、行こうか、朝練遅刻しちゃう」
「今日は朝練休むって連絡してあるから」
「大丈夫なの? 副主将じゃん」
「たまには大丈夫。そのためにいつも頑張ってるもん」
私たちは手を繋いだまま歩き始めた。