優しい君、不器用なあなた

ルクは目を見開きながらこういった。

「あの日、工事中土砂崩れがあって、一緒に働いてたやつが俺の背中をおしてそいつが、そいつだけが土砂崩れの被害にあったんだ…見つけたときにはもう、息はなかった…俺のせいで命を奪ってしまったんだ…」

ルクは涙をながし、嗚咽させながら言った。
スミはルクの隣に座り、背中をさすった。

「そうだったんですね…辛いですね…我慢せずにたくさん、たくさん泣いてください。」

スミの言葉を聞いた瞬間また、涙が止まらなくなったのだ。


「俺は、一人の命を奪ってしまったんだ…あいつはすごく優しいやつなんだ…こんな、人間のほうがいなくなればよかったんだ…」

顔に手をやり、そう呟いた。