寂しいから
やっとスヤスヤと寝た我が子の顔を見た時だけ、ほっと息が吸えた。
そんな感覚だった。
うつらうつらと、子供の横でうたた寝。
日付が変わる頃に帰ってくる夫。
それでも初めの頃はご飯を温めようと疲れた身体を引きずるようにキッチンへ立った。
「…お帰り」
「ん」
それだけ。
「今日はどんな事をした?」
「子供はどんな様子だった?」
「大丈夫か?」
私はそんな言葉が欲しかった…
若かった私は、何ヶ月かに一度爆発した。
「何故、もっと早く帰れないの?」
「少しは面倒みてよ!」
「私も疲れてる!」
その答えはいつも同じ。
「忙しい」
「見てるだろう!」
「俺も疲れてる!」
面倒くさそうな声と態度。
伝わらなくて、噛み合わなくて…
何度も泣いた。