寂しいから
綺麗な箱から飛び出し、小さな箱へ。
全てがコンパクトだ。
一回りも小さくなった冷蔵庫に洗濯機。
でもそれが嫌ではなかった。
「掃除が楽っ!」
そう思って嬉しくなった。
数歩歩けばベランダだし、
掃除機や拭き掃除も、10分もすれば十分。
食事も、何かと文句を言う子供と食べるのがいい。
無言で食べられるよりは…
買い物も。
以前は夫婦で買い物をしている人を見ると
「何であの人にはあんな優しそうな旦那な訳?」
って捻くれた見方しできなかった。
その気持ちの奥には
「私にはいないのに…」って言う僻みがドロドロと胸に渦巻いてた。
今は…何とも思わなくなった。
素直に
「仲がいいんだ、羨ましい」そう思うだけ。
羨ましいと素直に言える。それは多分私の中にドロドロとしたものがなくなったから。
いつも思ってた
「何で私だけ一人なの」って言う気持ち。
今は自分で選んで一人でいるから。
自分で望んだから。
寂しくないとは言わない。
実際、一人は寂しい。人恋しくなるし、不安にも駆られる。
「このまま一人なの?」って。
でもね、伴侶がいての寂しさとは格段に違う。
パートナーがいて寂しいのは心が固まってしまうから。
だから私は、自分の心を自分で暖めることを選んだ。
いつか、誰かの心を暖めたいと思えて、
私の心を暖めたいと思ってくれる人に出会えたら、それはものすごく素敵な事だろうと思える。
でも今は、自分で。
自分を大事に。
懸命に、生きようと思う。