竜使いの少女が恋したのは王子様でした【完】
「お父さんは、やっぱり、私に婿をとって欲しいのかしら」

マリッカおばさんは、肩をすくめる。

「さあね。
 直接、聞いたわけじゃないから、なんとも言えないけどさ。まぁ、普通は、一人娘なら外には出したくないもんさ」

そっか。
そうだよね。

私がいなくなったら、お父さん1人だもん。

でも、私、結婚するつもり、ないんだけどな。

「マリッカおばさん、ありがとう。
 あとは煮込むだけよね?
 それくらいなら私でもできるから、マリッカおばさんは、もう帰って。おばさんちも晩ご飯、作らなきゃいけないでしょ?」

「そうかい?
 じゃあ、あとは頼んだよ。
 レイナ、あんた、いつも頑張り過ぎるけど、今度は無理をするんじゃないよ?」

マリッカおばさんは、最後まで私を気遣って帰っていった。


はぁ……

私、結婚しないから。
お父さんを1人になんてしない。
だから、婿なんてとらなくてもいいでしょ?

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