竜使いの少女が恋したのは王子様でした【完】
「オルヴォ!?」
そんなの、申し訳なさすぎる。
驚く私をよそに父がたしなめる。
「オルヴォには、ヤーコブの農園の仕事があるだろう。そこまで無理をする必要はないよ」
だけど、オルヴォはにっこりと微笑んで答えた。
「大丈夫です。父にも今朝、言ってきました。
困った時はお互い様なので、レイナが元通り働けるようになるまで、邪魔にならないように、手伝ってこいって言われてます」
私は、思わず父と目を見合わせた。
「ほんとにいいの?オルヴォ」
窺うように尋ねる私に、オルヴォはにっこり笑って答える。
「当たり前だろ? だから、明日からも遠慮なくビシバシ使ってください」
翌日から、オルヴォは毎日うちで働いてくれた。お陰で、今まで以上に仕事は捗るし、私も今までとは違った楽しさがある。父と2人だと、竜のことしか話すことはないんだけど、オルヴォとは町で見かけたいろんな物のこととか、読んだ本の話とか、いろんな雑談ができるから。
そうして1ヶ月後、私の腕を固定していたものが無事に外された。私はその足でオルヴォの家へと向かう。このひと月、ずっと支えてくれたオルヴォにお礼を言いたくて。
「オルヴォ!」
私が声を掛けると、
「レイナ!」
と、オルヴォは駆け寄ってきた。
「もう、大丈夫なのか?」
「うん。今まで本当にありがとう。
オルヴォのおかげで、とっても助かったよ」
私がお礼の言葉を伝えると、オルヴォは、
「少し、散歩でもしないか?」
と誘った。
「? うん」
オルヴォの表情に何かいつもと違うものを感じて、少し首を傾げたものの、私はそのまま頷いてオルヴォと共に歩き始める。
「レイナは、将来のこととか考えてる?」
「将来のこと?」
なんだろう? いきなり。
「レイナはさ、子供のころ、王子様と結婚するって言ってただろ?」
!!
思い出した!
子供の頃、オルヴォに言われたんだ。
王子様とは結婚できないよって。
王子様はお姫様と結婚するものだって。
そんなの、申し訳なさすぎる。
驚く私をよそに父がたしなめる。
「オルヴォには、ヤーコブの農園の仕事があるだろう。そこまで無理をする必要はないよ」
だけど、オルヴォはにっこりと微笑んで答えた。
「大丈夫です。父にも今朝、言ってきました。
困った時はお互い様なので、レイナが元通り働けるようになるまで、邪魔にならないように、手伝ってこいって言われてます」
私は、思わず父と目を見合わせた。
「ほんとにいいの?オルヴォ」
窺うように尋ねる私に、オルヴォはにっこり笑って答える。
「当たり前だろ? だから、明日からも遠慮なくビシバシ使ってください」
翌日から、オルヴォは毎日うちで働いてくれた。お陰で、今まで以上に仕事は捗るし、私も今までとは違った楽しさがある。父と2人だと、竜のことしか話すことはないんだけど、オルヴォとは町で見かけたいろんな物のこととか、読んだ本の話とか、いろんな雑談ができるから。
そうして1ヶ月後、私の腕を固定していたものが無事に外された。私はその足でオルヴォの家へと向かう。このひと月、ずっと支えてくれたオルヴォにお礼を言いたくて。
「オルヴォ!」
私が声を掛けると、
「レイナ!」
と、オルヴォは駆け寄ってきた。
「もう、大丈夫なのか?」
「うん。今まで本当にありがとう。
オルヴォのおかげで、とっても助かったよ」
私がお礼の言葉を伝えると、オルヴォは、
「少し、散歩でもしないか?」
と誘った。
「? うん」
オルヴォの表情に何かいつもと違うものを感じて、少し首を傾げたものの、私はそのまま頷いてオルヴォと共に歩き始める。
「レイナは、将来のこととか考えてる?」
「将来のこと?」
なんだろう? いきなり。
「レイナはさ、子供のころ、王子様と結婚するって言ってただろ?」
!!
思い出した!
子供の頃、オルヴォに言われたんだ。
王子様とは結婚できないよって。
王子様はお姫様と結婚するものだって。