竜使いの少女が恋したのは王子様でした【完】
その日の夕方、私はやってきたオルヴォに意を決して言う。
「オルヴォ、あのね、今日マリッカおばさんが言ってたんだけど……」
「うん、何?」
「なんか、まるで私とオルヴォが結婚するみたいな噂が広まってるらしいなの」
私がそう言うと、オルヴォは一瞬固まって、でもすぐに微笑んで言った。
「気にしなくていいよ。たかが噂だろ?
陰口を言われてるわけでもないし」
「そう……だけど……」
ほんとにいいのかな?
「ほら、今日は、きのこを持ってきたよ」
そう言ってオルヴォが差し出した籠には、たくさんのいろんな種類のきのこが入っている。
「今日、採って来たんだ。
スープにしてもソテーにしてもうまいはず!」
そう言うオルヴォに流されて、結局、この話はうやむやになってしまった。
どうしよう。
マリッカおばさんは、もうウェディングドレスを縫う気満々だったから、ちゃんと説明した方がいいよね?
でも、なんて言おう?
『オルヴォとは何でもありません』?
わざわざ出かけて行って、それだけ言うのもなぁ。
そんな風に思い、先延ばしにしていると、気付けばまたひと月が経っていた。
「オルヴォ、あのね、今日マリッカおばさんが言ってたんだけど……」
「うん、何?」
「なんか、まるで私とオルヴォが結婚するみたいな噂が広まってるらしいなの」
私がそう言うと、オルヴォは一瞬固まって、でもすぐに微笑んで言った。
「気にしなくていいよ。たかが噂だろ?
陰口を言われてるわけでもないし」
「そう……だけど……」
ほんとにいいのかな?
「ほら、今日は、きのこを持ってきたよ」
そう言ってオルヴォが差し出した籠には、たくさんのいろんな種類のきのこが入っている。
「今日、採って来たんだ。
スープにしてもソテーにしてもうまいはず!」
そう言うオルヴォに流されて、結局、この話はうやむやになってしまった。
どうしよう。
マリッカおばさんは、もうウェディングドレスを縫う気満々だったから、ちゃんと説明した方がいいよね?
でも、なんて言おう?
『オルヴォとは何でもありません』?
わざわざ出かけて行って、それだけ言うのもなぁ。
そんな風に思い、先延ばしにしていると、気付けばまたひと月が経っていた。