竜使いの少女が恋したのは王子様でした【完】
父が国王陛下に手紙を出して2週間後、私たちは2頭の竜で城に向かっている。一頭に父が乗り、もう一頭に私とアウリスが乗る。国王陛下から、謁見の許可をいただき、ご挨拶に赴くのだ。
エドヴァルド城の中庭に降り立つと、執事が出迎えてくれた。
「アウリス王子、おかえりなさいませ」
「ああ、出迎えご苦労」
一瞬で、アウリスが以前の王子様然とした立ち居振る舞いに戻る。
私たちは、案内されるまま、城内に入る。執事に案内されるまま、奥へと進み、大きな扉の前に立った。
「アウリス王子をお連れしました」
執事が衛兵に告げると、衛兵は扉の中に向かって同じことを告げる。内側から扉が開いて、中へと通される。
広い!!
数百人が入れるんじゃないかと思えるような大広間の先に煌びやかな玉座が見える。そこには国王陛下と王妃陛下、それにもう1人、多分、王女殿下らしき女性が座っていらっしゃる。
私たちは玉座の前でひざまづく。もちろん、アウリスも一緒に。すると、国王陛下からお言葉をいただいた。
「エルノ、1年の長きに渡って、アウリスの世話と、度重なる報告、ご苦労であった」
「はっ!」
父は、手を胸に頭を下げる。
お父さん、国王陛下にずっと報告してたの!?
私は驚いて、思わず隣の父をまじまじと眺めてしまった。
「アウリス」
国王陛下がお呼びになる。
「はい」
「今一度、確認するが、そなたの意思は変わらぬか?」
「はい」
アウリスは、迷うことなく答える。
「では、仕方ないな。
明日にでも、廃太子と立太女のふれを出すとしよう」
「はい、ありがとうございます」
アウリスがかしこまって答える。
「エルノ」
「はっ!」
国王陛下に呼ばれて、父が姿勢を正す。
「アウリスが迷惑を掛けるが、これからもよろしく頼むぞ」
「かしこまりましてございます」
父が、うやうやしく一礼すると、国王陛下の視線がこちらに向けられた。
「レイナ、噂に違わぬ愛らしい娘だ」
国王陛下に謁見するなど、初めてのことで、どう謙遜していいのかも分からない。
「アウリスは、そなたにちゃんと優しくできておるか?」
「はい。とても」
私は震える声で答える。
「ならば良い。何か困ったことがあれば、いつでも申せ。予が直々にアウリスに説教をしてやろう」
これは、なんて答えればいいの?
正解が分からなくて、私はただ無言で頭を下げた。
エドヴァルド城の中庭に降り立つと、執事が出迎えてくれた。
「アウリス王子、おかえりなさいませ」
「ああ、出迎えご苦労」
一瞬で、アウリスが以前の王子様然とした立ち居振る舞いに戻る。
私たちは、案内されるまま、城内に入る。執事に案内されるまま、奥へと進み、大きな扉の前に立った。
「アウリス王子をお連れしました」
執事が衛兵に告げると、衛兵は扉の中に向かって同じことを告げる。内側から扉が開いて、中へと通される。
広い!!
数百人が入れるんじゃないかと思えるような大広間の先に煌びやかな玉座が見える。そこには国王陛下と王妃陛下、それにもう1人、多分、王女殿下らしき女性が座っていらっしゃる。
私たちは玉座の前でひざまづく。もちろん、アウリスも一緒に。すると、国王陛下からお言葉をいただいた。
「エルノ、1年の長きに渡って、アウリスの世話と、度重なる報告、ご苦労であった」
「はっ!」
父は、手を胸に頭を下げる。
お父さん、国王陛下にずっと報告してたの!?
私は驚いて、思わず隣の父をまじまじと眺めてしまった。
「アウリス」
国王陛下がお呼びになる。
「はい」
「今一度、確認するが、そなたの意思は変わらぬか?」
「はい」
アウリスは、迷うことなく答える。
「では、仕方ないな。
明日にでも、廃太子と立太女のふれを出すとしよう」
「はい、ありがとうございます」
アウリスがかしこまって答える。
「エルノ」
「はっ!」
国王陛下に呼ばれて、父が姿勢を正す。
「アウリスが迷惑を掛けるが、これからもよろしく頼むぞ」
「かしこまりましてございます」
父が、うやうやしく一礼すると、国王陛下の視線がこちらに向けられた。
「レイナ、噂に違わぬ愛らしい娘だ」
国王陛下に謁見するなど、初めてのことで、どう謙遜していいのかも分からない。
「アウリスは、そなたにちゃんと優しくできておるか?」
「はい。とても」
私は震える声で答える。
「ならば良い。何か困ったことがあれば、いつでも申せ。予が直々にアウリスに説教をしてやろう」
これは、なんて答えればいいの?
正解が分からなくて、私はただ無言で頭を下げた。