俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
一花の働く高級オフィスビルは、7階から48階までがオフィスゾーンになっており、職場は17階にある。
毎朝出勤するときはエレベーターで17階に上がり、退勤のときもエレベーターで1階に降りる。要するに、この誰もが羨む展望豊かな高級オフィスビルに勤めていても、一花は1階と17階しか行ったことがない。

そもそもオフィスビルと言っているが、実際のところはオフィスの上にはホテルやレストラン、展望台まで兼ね備えた複合ビルであり、どれも気品溢れるラグジュアリーな造りとなっている。

今回のフォーラムは49階のホテルの会場で行われるため、一花はずいぶん前からそわそわと落ち着かないでいた。

柳田についてエレベーターへ乗り込むと、一花の目の前には都会の街並みが広がった。このエレベーターは外の景色が見えるつくりとなっているのだ。初めて17階以上に行くため、景色がどんどんと変わっていくことに目を丸くした。

「どうした?」

「高いです」

「高所恐怖症か?」

「違います、17階より上の階に初めて来たので興味津々なだけです」

「だからそわそわしてたのか?」

「……バレてましたか?」

正直に言うと、柳田はバカにするでもなく片眉を上げ、楽しそうにふんと鼻で笑った。
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