俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
17階から49階まではあっという間に着いてしまった。
名残惜しくエレベーターを降りると、柳田はスタスタと歩いていってしまう。置いてかれまいと、一花は早足で追いかけた。

ホテルの入口にはフォーラムの案内表示が出ていて、てっきりそこに入っていくものだと思った一花は、柳田が通りすぎたことを疑問に思って呼び止めた。

「社長、入口こちらですよ?」

「ん?まだ時間あるだろ?」

「ありますけど……トイレですか?」

「しんのすけも済ませておけよ~」

からかうように言われ、一花は妙に恥ずかしくなりこっそりと顔を赤らめる。トイレなら会社を出る前に行ってきたし、それならばここで待とうかと歩みを緩めた時だった。

「しんのすけ」

柳田が急に振り向いたかと思うと突然一花の手を取り、何事かと一花の心臓はドクンと脈打った。
そしてそのままぐっと引き寄せられて思わず体が強張る。
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