俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
柳田はひとつため息をつく。

「律儀なやつだな。じゃあ経費で処理しておけよ」

「……それってダメですよね?」

「じゃあ素直に奢られとけって」

柳田は一花の頭をポンポンと撫でると、満足そうに笑いながらエレベーターへ乗り込んだ。

「あ、ありがとう……ございます……」

小さくお礼を言うと、一花も小走りでエレベーターへ乗り込む。

触られた頭が何だかふわふわする。
嬉しいようなくすぐったいような、何とも言い難い気持ちだ。
一花は唇を噛みしめ、夜景を見て気持ちを落ち着かせる。

今日は柳田のいろいろな面を見た気がする。
俺様で強引な人としか思っていなかったが、実は野心家で、そして優しく気遣いのできる人だった。

それは一花の心の中で、ほんの少しだけぽわっと明かりが灯るような、そんな些細な出来事だった。
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