俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
***

高級オフィス街にあるタワービルで働くことは、野原一花にとって夢のようだった。
おしゃれでハイセンスなビル建築。
階下に広がる都会の街並み。
オフィス街を抜ければ人気店が軒を連ねる商業施設が広がる。

誰もが羨むようなこの場所で、一花は受付事務として働いている。
大学を卒業して新卒で入社し、今年三年目になるところだ。

*

就職活動において散々お祈りメールを受け取った一花の疲れきった心は、時に癒しを求めていた。もう一生内定なんてもらえないのではないか、ニートになってしまうのではないか、そんなことを思いながらも僅かに残っていた気力で自分を奮い立たせていた。

そんなときに見つけたひとつの求人情報。

あの有名な高級オフィス街のタワービル内にオフィスを構えるベンチャー企業の、受付事務の募集だった。
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