俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
車やバイクが好きだった康樹は、十六歳になってすぐに普通二輪免許を取った。アルバイトをして貯めたお金で中古のバイクを買い、どこに行くにもバイクを使っていた。
「今度一花も乗せてあげるよ」
「んー、でも何か怖そうだなぁ」
そんな会話をしたのが最後で、それがまさかバイク事故で帰らぬ人になるなんて、誰が想像しただろうか。
夢か現実か、一花は訳がわからないまま葬儀に出席し、“康樹の彼女だから”という配慮のもと親族側の席へ座らせてもらった。
きちんとお別れもした。
御焼香だって作法通りこなした。
……と思う。
その時の記憶はほとんどない。
だけど心にぽっかり空いた穴。
大事な人が突然いなくなる恐怖、喪失感。
一花の心に刻まれたそれは、消えることのない傷痕として残り続けている。
「今度一花も乗せてあげるよ」
「んー、でも何か怖そうだなぁ」
そんな会話をしたのが最後で、それがまさかバイク事故で帰らぬ人になるなんて、誰が想像しただろうか。
夢か現実か、一花は訳がわからないまま葬儀に出席し、“康樹の彼女だから”という配慮のもと親族側の席へ座らせてもらった。
きちんとお別れもした。
御焼香だって作法通りこなした。
……と思う。
その時の記憶はほとんどない。
だけど心にぽっかり空いた穴。
大事な人が突然いなくなる恐怖、喪失感。
一花の心に刻まれたそれは、消えることのない傷痕として残り続けている。