俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
「なんだ、しんのすけまで来たのか?」

一花は無言で俯き加減に頷いた。
柳田は向井に対して文句を言う。

「俺が直接電話してるんだから、元気そうなのは察しろよ」

「社長はいつも無理ばかりしていますので、我々も一応心配したのですが。ね、野原さん」

呆れたように言う向井が一花の方を振り向いたと同時に、一花は二人に背を向けるようにくるりと向きを変えた。

「野原さん?」

「しんのすけ?どうした?」

黙りこくった一花の小刻みに揺れる肩に気付き、二人ははっとなって顔を見合わせる。

「……野原さんも心配して来てくれたんですよ。社長が泣かせたのできちんと対応してください」

向井は優しい口調とは裏腹に、柳田へ鋭い睨みを利かせ目で合図した。そのプレッシャーにいささか怯むものの、柳田はソファーから立ち上がる。

「対応ってお前……、しんのすけ、泣くなって。心配かけて悪かった」

柳田が一花の方へ歩みより顔を覗き込むと、一花の瞳からは大粒の涙がこぼれ、柳田はその綺麗な涙に言葉を失った。
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