俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
まさかの柳田と出張することになった一花は、待ち合わせた駅でいきなりドキドキと心臓が音を立てた。

スーツにネクタイの柳田はいつも通りで、ただ歩いているだけで目を惹く。一花は見慣れているはずなのに、ここが社外だというだけでなぜかそわそわと落ち着かない。

柳田は一花を見つけると、

「しんのすけ」

と手を挙げた。
とたんに、羞恥で顔が赤くなる。

「あ、あの!さすがに外でしんのすけと呼ぶのは止めてもらえますか?」

「いいじゃねーか、別に」

呼ばれ慣れたと思っていたのに、いざ社外でしんのすけと呼ばれるとモヤモヤする。
誰かに聞かれたら自分の名前が本当に“しんのすけ”だと思われてしまうのではないだろうか。

(は、恥ずかしいっ!)

一花はぐっと拳を握って断固拒否だ。

「よくないです。名前にしてください」

「じゃあ一花」

躊躇いもなく下の名前で呼ばれ、一花はむぐっと言葉に詰まった。まさかそっちで呼ばれるとは思っておらず、心の準備ができていない。
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