俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
ピリッとした空気が流れ、一花は身を小さくする。そういえば前に柳田が「向井は静かに怒るんだ」と言っていたことを思い出した。

向井は一呼吸すると、凛とした声色で言う。

「直己、公私混同するな。ここは社内でありお前は社長だ。他の社員に示しがつかない。正直、愛が重いしウザイ」

「う、うざっ……い?!」

反論しようとするも、向井の鋭い睨みに柳田は口を閉ざす。

「一花さん」

「は、はいっ」

名前を呼ばれた一花は、ピシッと背筋を伸ばした。何を言われるのか、緊張が走る。

「……直己と付き合っていることはバレバレです。隠し方が下手すぎる。まあそれは構わないですが、仕事に支障の出るようなケンカは止めてください。もっと、恋愛することで仕事もバリバリこなせるくらいでないと困ります。このままでは異動も否めません」

「……すみません」

しゅんと項垂れる一花だったが、まったくもってその通りだと思った。向井が優しかっただけで、最近の自分は弛んでいるなと感じていた。
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