俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆

向井は柳田と一花それぞれに指摘した後、殊更冷たい目をして言った。

「お前たちが付き合おうが別れようが、俺は知ったことではない。勝手にやれ。その代わり、会社と俺を巻き込むな。それから誤解のないように言っておくが、俺には大切な恋人がいるから、心しておくように。以上」

それだけ言うと、向井はパソコンに向かって仕事を始めた。

一花と柳田は気まずげに顔を見合わせる。

「向井さん、怒らせちゃいましたね」

「言っただろ、あいつは静かに怒るって」

コソコソと話をしながら、二人とも自席について仕事を始める。

一花はこっそりと向井の様子を覗き見た。
表情からして、向井はもう怒ってはいないようだった。やはり聡明で温厚な向井は、切り替えも早いのかもしれない。

柳田も何事もなかったかのように仕事を始めていて、一花も気持ちを切り替えて仕事に取り掛かった。