身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
どうするのだろうと案じていると、高須賀さまのお母さまが「新婦の体調不良を理由に、披露宴を食事パーティーに切り替えましょう」と提案した。進行は大幅に変更になるけれど、内容が追加されるわけではなくシンプルになるだけなので、それで応じることになった。

私はここでお役御免だ。

どうか一刻も早く川嶺さまが戻ってきてくれますようにと願いながら、私はすぐさまブライズルームに駆け込んだ。

美容師に手伝ってもらいながらドレスを脱ぎ、制服のパンツスーツに着替えたところでドアをノックする音がする。

「はい」

返事をすると、入ってきたのは高須賀さまだった。

「高須賀さま」

彼はもうバンケット会場に向かったと思っていたから、私は少し面食らった。
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