身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
午後四時過ぎ、菖悟さんは予定通りの時刻に帰宅した。

ドレスに着替えた私はドキドキしながら、彼がいるリビングに向かう。

「菖悟さん、このドレスにしたんですがどうでしょうか? パーティーの雰囲気に合いますか?」

彼の厚意に感謝し、私はクローゼットの中から、膝丈Aラインのシュガーピンクのワンピースを選んだ。デコルテのレースの透け感がきれいで、華美過ぎず上品な中にもかわいらしさを感じたからだ。

「ああ、よく似合っている」

菖悟さんはソファから立ち上がって歩み寄ってきた。

至近距離で真正面から見つめられ、私は思わず目が泳ぐ。

「えっと、ジャケットはこれで……」

私は手にしていたジャケットを彼に見せた。袖の部分がフリルになっている女性らしいデザインのものだ。

「ああ、いいんじゃないか」

「あと、ドレスのリボンはどっちで結ぶほうがいいでしょうか?」

少し高めの位置に付いているウエストのリボンは、前でも後でも結べるようになっていた。

「貸してみろ」
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