I want to...
そして僕は10年ぶりの再会をした。

彼女は昔より痩せて色白く絵に書いたような病人だった。

元々丈夫な身体とは言えなかったとはいえ、今は生と死のスレスレを生きていると言った方が正しいのではないかという彼女。

でも、どれだけ変わっても彼女の笑顔とその雰囲気、多少大人びても変わらず可愛いと僕は思ってしまった。

正直、10年前僕は彼女に無責任な約束をしてしまったのではないかと毎年この時期になると思う。

もし、約束が彼女を苦しめるものなら…と何度も考えた。

でも、僕のエゴかもしれなけれど、今生きている姿を見て僕は約束してよかったって思えた。

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