I want to...
翌日の初の出勤。

僕は出勤2時間前の7時前に医局に着いていた。
医局では当直の先生が仮眠をしていたり、早朝の、看護師が1人パソコンにカルテを打ち込んでいるだけだった。

自分のコーヒーを入れてパソコンで院内での様々なカルテや症例データを真剣に読み。ノートに書き込みをしていると

町田先生「おや、熱心だねぇ。」

不意に後ろから声をかけられた。
びっくりして時計を見ると時間は8時50分

あっという間に2時間が経ってしまったようだ。

ミツキ「おはようございます」

と言ってすぐに席を立ち、町田先生の分のコーヒーを入れて持ってくると

町田先生「あぁ、ありがとう。出来れば今度からお砂糖を1つつけてくれると嬉しいな」

と言われ、取りに行こうとすると

町田先生「大丈夫大丈夫、机の中に予備のお砂糖ならあるから」

と言ってコーヒーに砂糖を入れる。

ミツキ「そういえばミーティングって…」

と言ったその時だった

??「皆さん席に着いてください」

歳は50代後半くらいのおじいさんが声をかけた。
眼鏡の奥の目じりが垂れ下がり、白髪はふわふわで綿のよう。何となくサンタさんを思わせるようなそんな人だった。

??「おや、君が息子先生かな?」

おじいさんはこちらを見て言った。

ミツキ「はじめまして。お察しの通り息子のミツキです。」

僕は立って軽くお辞儀をした。

??「みたいだから、今日からよろしくね。
あ、ちなみに僕はここの医局長の進藤と言います。まぁ、そんな感じて分からないことは町田先生をはじめにして誰かにきいてね。」

そう言って医局をぐるりと見回した最後にこちらを見て軽くウィンクする進藤医局長。

ミツキ「ありがとうございます。まだまだ半人前ですがこれからよろしくお願いします。」

そう言うと医局からパチパチと拍手がされた。

それから僕が着席すると同時にミーティングもテキパキと進み10分くらいで全てが終わった。

町田先生が回診に行く言うまでは待機なのでその間に先程の続きを読もうとすると。

??「よっ!新人くん!」

そんなふうに声をかけてきたのは

海斗「初めまして、麻酔医の大空 海斗。28歳。ここじゃかなり年が近いもん同士仲良くしよーなっ」

と言い背中をばんばんされる。
空やら海やらなんか忙しい人だ…と思っていると

町田先生「こう見えてもこの人は比較的優秀だよ。」

と言いながらパソコンに向かう町田先生

カイト「いや、町田センセ、こう見えてもとか、比較的とか辛辣っ!?」

なんて言い合う雰囲気この人はムードメーカー的な人なのかと思っていると、

カイト「そういえば、ミツキくんの担当ってハルちゃんだっけ?」

ミツキ「はい、そうですけど…」

と言うと

カイト「ほほーん。君がやっぱり、あのミツキくんかぁ…」

とニヤニヤし始めるので、

ミツキ「えっと、僕何かしましたか?」

と言いつつ町田先生を見ると町田先生もニヤニヤ…

ミツキ「あのぉ」

町田先生「さぁてそろそろ回診に行きますかぁ」

そう言って席を立ちからになったコーヒーカップを海斗に、押しつけ医局を出ていこうとするのであわてて資料類を閉じて先生について行く。

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