満月の哀


いつの間にか、耐えられず


零れ落ちた涙。


ベッドのシーツが滲んでいく。


落ちた涙を拭うことなく、


涙で霞む満月を睨みつける。


満月なんて見なければ
思い出さずに済んだだろう。




結局、


貴方より愛した人は現れず、


貴方より愛してくれた人もいなかった。


零れた涙と血を自分で拭う日々。


残ったのは、カサブタと虚しさだけだった。
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