その手をつかんで
プロポーズ
蓮斗さんと向き合って話をする日まで、一週間。この一週間を我慢して乗り越えれば、彼のことで煩わしく思うこともなくなる。
そう思い、我慢週間と心の中でネーミングした。
しかし、蓮斗さんは蓮斗さんである決意を固め、この一週間に臨んでいたらしい。
あとから知ったのだが……。
「野崎さーん、専務がお呼びですよー」
毎日この声掛けで、私はいそいそと表に出ていく。
広くて、明るい食堂で食事をしている人はまばら。本日の蓮斗さんは遅めの昼食だった。
「お疲れ様です」
「うん、お疲れ様。今日はどうだった?」
このやり取りは、毎日ほぼ同じ。
「今日も昨日と同じくらい来てくれていると思います」
「そう、良かった」
「はい」
このあたりの会話もほぼ変わらない。
「仕事で困っていること、ない?」
「ないですけど」
「けど、なに?」
「専務に毎日来られるのは、ちょっと困っています」
そう思い、我慢週間と心の中でネーミングした。
しかし、蓮斗さんは蓮斗さんである決意を固め、この一週間に臨んでいたらしい。
あとから知ったのだが……。
「野崎さーん、専務がお呼びですよー」
毎日この声掛けで、私はいそいそと表に出ていく。
広くて、明るい食堂で食事をしている人はまばら。本日の蓮斗さんは遅めの昼食だった。
「お疲れ様です」
「うん、お疲れ様。今日はどうだった?」
このやり取りは、毎日ほぼ同じ。
「今日も昨日と同じくらい来てくれていると思います」
「そう、良かった」
「はい」
このあたりの会話もほぼ変わらない。
「仕事で困っていること、ない?」
「ないですけど」
「けど、なに?」
「専務に毎日来られるのは、ちょっと困っています」