その手をつかんで
コートの入った大きな紙袋は、蓮斗さんが持ってくれている。彼は空いている方の手で、私の手を握った。
彼の顔を見ると、こちらに向かってニコッと笑う。私もこんなふうに笑う蓮斗さんを見るのは、久しぶり。
最近の彼は困った顔で笑うことが多かった。私のせいだろうけど……。
「私、今週は我慢週間だったんですよ」
「我慢? 何を我慢してたの?」
我慢週間を終えて、彼と手を繋ぐようになるとは自分自身が一番驚いている。
だから、蓮斗さんに暴露した。
「今日実は……社食に来ても私を呼ばないでください、会社では話しかけないでくださいとお願いするつもりでした。蓮斗さんが来て困っていたけど、あと一週間の辛抱だと我慢週間にしたんです」
「そうか。明日花に来るなとお願いされるよりも先に伝えて、良かったよ」
「まさかでビックリしましたけどね」
私はビニール袋の中にある花束を見て、笑った。
「やっぱり今日の明日花はかわいすきる」
蓮斗さんは繋がっている手を持ち上げて、私の手の甲に口づける。
「ええっ? ちょっ、ちょっと!」
彼の顔を見ると、こちらに向かってニコッと笑う。私もこんなふうに笑う蓮斗さんを見るのは、久しぶり。
最近の彼は困った顔で笑うことが多かった。私のせいだろうけど……。
「私、今週は我慢週間だったんですよ」
「我慢? 何を我慢してたの?」
我慢週間を終えて、彼と手を繋ぐようになるとは自分自身が一番驚いている。
だから、蓮斗さんに暴露した。
「今日実は……社食に来ても私を呼ばないでください、会社では話しかけないでくださいとお願いするつもりでした。蓮斗さんが来て困っていたけど、あと一週間の辛抱だと我慢週間にしたんです」
「そうか。明日花に来るなとお願いされるよりも先に伝えて、良かったよ」
「まさかでビックリしましたけどね」
私はビニール袋の中にある花束を見て、笑った。
「やっぱり今日の明日花はかわいすきる」
蓮斗さんは繋がっている手を持ち上げて、私の手の甲に口づける。
「ええっ? ちょっ、ちょっと!」