その手をつかんで
社内恋愛
蓮斗さんと正式な交際がスタートして、初めて迎えた月曜日の朝。私は専務室のドアをノックした。
「どうぞ」という声が聞こえたのと同時にドアが勢いよく開かれる。
ドアノブに手をかけていた私は「わわっ!」とバランスが前へと崩れた。咄嗟に彼が受け止める。
……というか、抱きしめられている?
彼から漂ういつもの爽やかな香りに包まれた状態で、顔を上に向ける。
「なんか甘い花の香りがする……香水?」
「いえ、つけてないです」
厨房に入るから、香水はつけないようにしている。だから、甘い香りと言われてもピンとこない。
「じゃあ、シャンプーの香りかな?」
「シャンプー? あー、使ってるのはフローラルブーケの香りがするのだからかな」
息がかかるくらいの至近距離で答える。視線が交わり、思わず目を瞑った。
「キスしていい?」
「え……あ、んっ!」
蓮斗さんは意外とせっかちなのかも。私の意思を確認するよりも先に行動してしまう。
この前のような触れるだけのキスではなくて、深くなっていく。
彼の右手は私の後頭部にあり、左手は腰にある。ガッシリと押さえられているから拒めない。
「どうぞ」という声が聞こえたのと同時にドアが勢いよく開かれる。
ドアノブに手をかけていた私は「わわっ!」とバランスが前へと崩れた。咄嗟に彼が受け止める。
……というか、抱きしめられている?
彼から漂ういつもの爽やかな香りに包まれた状態で、顔を上に向ける。
「なんか甘い花の香りがする……香水?」
「いえ、つけてないです」
厨房に入るから、香水はつけないようにしている。だから、甘い香りと言われてもピンとこない。
「じゃあ、シャンプーの香りかな?」
「シャンプー? あー、使ってるのはフローラルブーケの香りがするのだからかな」
息がかかるくらいの至近距離で答える。視線が交わり、思わず目を瞑った。
「キスしていい?」
「え……あ、んっ!」
蓮斗さんは意外とせっかちなのかも。私の意思を確認するよりも先に行動してしまう。
この前のような触れるだけのキスではなくて、深くなっていく。
彼の右手は私の後頭部にあり、左手は腰にある。ガッシリと押さえられているから拒めない。