その手をつかんで
婚約者(正)
ダークグレー色のフォーマルスーツがとてもよく似合う蓮斗さんの腕に手を添える。
結婚式以外の華やかなパーティーに参加したことがない私の足は震えた。
『緊張します」
『大丈夫だよ。俺のそばにいるだけでいいからね」
パーティー会場内に足を踏み入れるのに躊躇ってしまう。だけど、蓮斗さんの動きに合わせた。
中に入ると、私たちに気付いた年配の夫婦が声を掛けてきた。
「蓮斗くん、久しぶりだね」
「塚本さん、ご無沙汰しております」
「そちらの方は?」
「紹介させてください。私の婚約者である野崎明日花さんです」
蓮斗さんが私を紹介すると、周囲がざわめいた。どうやら私たちは注目を浴びていたようだ。
注目されていることに怯んで顔を俯きたくなったが、しっかりと上げた。蓮斗さんに迷惑をかけないよう、堂々としなければいけない。
「はじめまして、野崎明日花と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしくね。可愛らしいお嬢様だね。野崎さんのご両親は何をされて?」
「えっ?」
私の両親?
何をされてって、職業を聞かれている?
どう答えていいか戸惑い、蓮斗さんを見る。彼は質問した塚本さんという男性に微笑む。
結婚式以外の華やかなパーティーに参加したことがない私の足は震えた。
『緊張します」
『大丈夫だよ。俺のそばにいるだけでいいからね」
パーティー会場内に足を踏み入れるのに躊躇ってしまう。だけど、蓮斗さんの動きに合わせた。
中に入ると、私たちに気付いた年配の夫婦が声を掛けてきた。
「蓮斗くん、久しぶりだね」
「塚本さん、ご無沙汰しております」
「そちらの方は?」
「紹介させてください。私の婚約者である野崎明日花さんです」
蓮斗さんが私を紹介すると、周囲がざわめいた。どうやら私たちは注目を浴びていたようだ。
注目されていることに怯んで顔を俯きたくなったが、しっかりと上げた。蓮斗さんに迷惑をかけないよう、堂々としなければいけない。
「はじめまして、野崎明日花と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしくね。可愛らしいお嬢様だね。野崎さんのご両親は何をされて?」
「えっ?」
私の両親?
何をされてって、職業を聞かれている?
どう答えていいか戸惑い、蓮斗さんを見る。彼は質問した塚本さんという男性に微笑む。