その手をつかんで
蓮斗さんとのことで浮かれているから、今は何をしていても楽しい。

彼と出会えたことで、運気が開けたようだ。転職も出来たし。

曖昧な関係でちょっとゴタゴタした部分はあったが、今は満足している。欲をいえは、もっと仲良くしたいというか親密になりたいけれど。

そんなことを考えている私の前で、蓮斗さんはコホンと軽く咳払いをした。


「俺も明日花と仲良くしたいよ。それで今後のことを話したいから、今夜明日花の部屋に行ってもいい? この前、行きそびれてから、なかなか行ける機会がなかったからね」

「いいですけど……ご飯、うちで食べます?
私の作った物で良ければ用意しますけど」

「手料理を食べれるなら、食べたいね。でも、忙しいだろうから無理しなくてもいいよ? どこかで食べてからでもいいからね」


蓮斗さんはいつも負担にならないよう、考えてくれる。

でも、蓮斗さんのことで負担に感じることはない。料理するのは好きだから、好きな人に食べてもらえるなら嬉しい、


「豪華な物は作れませんけど、食材はいろいろあるので、良かったら食べてください」

「ごちそうになるよ。楽しみにしてるね」
< 161 / 180 >

この作品をシェア

pagetop