その手をつかんで
結婚
会社の年末年始休暇が始まる前日、私たちは有給休暇を取得した。
午前中に私は住んでいた部屋を引き払った。使っていた家具や電化製品は処分し、身の回りの物だけを蓮斗さんと住むマンションに荷物を運び入れた。
そして、この日に入籍をした。クリスマスや元旦といった覚えやすい日を入籍日にしようかとも考えたが、新しいふたりだけの記念日を作ろうと何でもない日に決めた。
「明日花、これからよろしく」
「こちらこそよろしくお願いします」
婚姻届提出後、ホテルの最上階にあるスイートルームで、私たちはシャンパンで乾杯した。
部屋の大きな窓から、きらびやかな夜景が見える。私たちを祝福してくれているかのような輝き、
ルームサービスで運ばれた豪華な料理は、食べるのがもったいないくらい見た目が美しかった。記念に写真を撮りたいけど、マナーとしては良くないかな……。
ミニキッチンカウンターに置いたままにしてあるスマホにチラリと目を向ける。
「ん? どうした? 食べないの?」
食べようとしていた蓮斗さんが不思議そうな顔をして、私の視線の先を辿った。
午前中に私は住んでいた部屋を引き払った。使っていた家具や電化製品は処分し、身の回りの物だけを蓮斗さんと住むマンションに荷物を運び入れた。
そして、この日に入籍をした。クリスマスや元旦といった覚えやすい日を入籍日にしようかとも考えたが、新しいふたりだけの記念日を作ろうと何でもない日に決めた。
「明日花、これからよろしく」
「こちらこそよろしくお願いします」
婚姻届提出後、ホテルの最上階にあるスイートルームで、私たちはシャンパンで乾杯した。
部屋の大きな窓から、きらびやかな夜景が見える。私たちを祝福してくれているかのような輝き、
ルームサービスで運ばれた豪華な料理は、食べるのがもったいないくらい見た目が美しかった。記念に写真を撮りたいけど、マナーとしては良くないかな……。
ミニキッチンカウンターに置いたままにしてあるスマホにチラリと目を向ける。
「ん? どうした? 食べないの?」
食べようとしていた蓮斗さんが不思議そうな顔をして、私の視線の先を辿った。