その手をつかんで
ぼんやりとキスの気持ちよさに酔いしれていると……いつの間にか、私はベッドの上に横たわっていた。

引き締まった上半身をあらわにした蓮斗さんが熱のこもった瞳で「明日花」と私を見下ろす。

髪を優しく撫でられた私は、手を伸ばして彼の頬に触れた。


「好きです」

「俺も大好きだよ」


蓮斗さんは私の額にキスを落としてから、全身を隈なく愛していく。

生まれたばかりの姿を晒すのも初めてなのに、恥ずかしい部分にも触れられて私の体の熱は上がる一方。

蓮斗さんの体も熱くなっていて、どちらの熱だかわからなくなる。お互いの息遣いが荒くなった。

ふたつの体がひとつに溶け合う瞬間、体だけではなく心までもが震える。

彼の体の重みに、幸せなひとときを感じた。


「嬉しい……です……」


掠れた声で告げると、優しく抱きしめられる。


「俺も……明日花と夫婦になれて、嬉しい」

「蓮斗さん」


甘えるように抱き締め返すと、彼は「フッ」と笑った。


「かわいすぎ……また味わいたくなる」

「えっ、ええっ? んっ!」


体を起こした彼は再び濃いキスをして、私を抱いた。幸せな初夜はいつ終わるのだろう……。
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