その手をつかんで
*****


ここは楽園?

目覚めた私は目を細めて、青い空、白い砂浜、エメラルドグリーンの海を眺めた。

透き通った海に囲まれた島の中にある水上ヴィラ。とても静かで、穏やかな波の音しか聞こえない。

これは夢の中なのかなと思ってしまう。現実の世界だとは思えないから、


入籍してから八か月後、私たちは結婚式をあげる。

『明日花か喜ぶ結婚式をプレゼンしたい』と蓮斗さんが言ってくれたので、すべてを彼に任せた。

私たちが出逢ってから、もうすぐ一年が経つ。

知らされていなかった行き先を成田空港でやっと知り、驚いた。飛行機を乗り継いで、到着したのは夜だったから、外の景色がどんなふうなのかよく見えなかった。

ただ瞬く無数の星を見上げて、ふかふかのベッドで眠った。

たくさんの島から成る国であるモルディブは、テレビでの映像でしか見たことがない。

こんな素敵なリゾートアイランドは、一生行くことのない場所だと思った。

まさかそこでの結婚式をプレゼントされるなんて……贅沢すぎる。でも、最高のプレゼントだ。

きれいな顔で眠っている蓮斗さんに接近して、頬にキスをする。ゆっくりと開かれた目が私を捉えて、柔和な笑みを浮かべた。
< 171 / 180 >

この作品をシェア

pagetop