その手をつかんで
受付には、キャビンアテンダントのような制服姿の女性が三人並んでいて、私が近寄ると「こんにちはー」と優雅な笑みを浮かべた。
美しい女性たちを前にして、挙動不審にペコペコと頭を下げたのち、背筋を伸ばす。
しっかりしなくては……。
「産婦人科に入院している田宮瑠奈(たみやるな)さんの面会に来ました野崎明日花(のざきあすか)と申します」
「野崎さまですね。ご確認致しますので、少々お待ちくださいませ」
スムーズな動作で手元にあるパソコンを操作すること、数秒。ひとりの女性が再び笑顔で口を開く。
「病室は504号室になります。右手のエレベーターをご利用ください」
「ありがとうございます」
教えてもらったエレベーターに乗り込み、五階まで行く。
エレベーターを降りて、まず思ったのは病院っぽい、だった。病室のある階の廊下は、ベッドや車椅子での移動もあるから、絨毯敷きの床ではなく普通の床にしているようだ。
誰かに確認したのではなくて私の解釈だけど、普通の病院らしさを感じて、少し緊張が和らぐ。
友だちである瑠奈の病室をノックするとすぐに「はーい。明日花、入ってー」と元気のいい声が聞こえた。
美しい女性たちを前にして、挙動不審にペコペコと頭を下げたのち、背筋を伸ばす。
しっかりしなくては……。
「産婦人科に入院している田宮瑠奈(たみやるな)さんの面会に来ました野崎明日花(のざきあすか)と申します」
「野崎さまですね。ご確認致しますので、少々お待ちくださいませ」
スムーズな動作で手元にあるパソコンを操作すること、数秒。ひとりの女性が再び笑顔で口を開く。
「病室は504号室になります。右手のエレベーターをご利用ください」
「ありがとうございます」
教えてもらったエレベーターに乗り込み、五階まで行く。
エレベーターを降りて、まず思ったのは病院っぽい、だった。病室のある階の廊下は、ベッドや車椅子での移動もあるから、絨毯敷きの床ではなく普通の床にしているようだ。
誰かに確認したのではなくて私の解釈だけど、普通の病院らしさを感じて、少し緊張が和らぐ。
友だちである瑠奈の病室をノックするとすぐに「はーい。明日花、入ってー」と元気のいい声が聞こえた。