その手をつかんで
「そうだよな、お義父さんの気持ちがわかるよ」

「でも、そんなお父さんも今は孫の咲里奈にメロメロよ」


瑠奈が笑みを浮かべながらコーヒーを置く横に、私はカップケーキがのった皿を置いていく。


「咲里奈ちゃん、こんなにかわいいんだもの、当然でしょうね」


私の発言にいち早く反応したのは、涼輔さん。


「明日花さんもわかるよね! やっぱりうちの咲里奈は誰が見ても、かわいいんだよねー。ねえ、咲里奈ー」


ニコニコ顔で、咲里奈ちゃんに話しかける涼輔さんに、蓮斗さんは「親バカ」と呟く。

瑠奈は肩をすくめて、カップケーキを食べる。


「美味しい! お兄ちゃんも食べたら?」

「ああ、そうだな。いただきます」


蓮斗さんは私の顔を見てから、食べ始めた。口に合うかと、ドキドキしながら見守る。

彼は口の中をきれいにしてから「うん」とうなずいた。


「美味しい!


早々と食べ終えていた瑠奈が蓮斗さんに言う。


「お兄ちゃんも気に入った? 私、明日花の作るお菓子、大好きなの。特にこのカップケーキ、お砂糖使ってないのにほどよい甘さだから、太っちゃうと気にしないで食べられるのよ」
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