その手をつかんで
蓮斗さんも同じように感じたのか、眉根を寄せていた。
「作り笑いって、そんなつもりはないけど。でも、心から笑っていなかったのは確かかもな」
「蓮斗……だから、それを作り笑いっていうんだよ。蓮斗はわかっているようで、わかっていないから心配になる」
「涼輔に心配されたくない」
「弟が兄を心配するのは、当たり前だろ」
蓮斗さんと涼輔さんは、長年の友だちで気心が知れた関係だ。それに、今は義理の兄弟である。
ふたりの絆は友だちを超えていて、素敵だなと思う。
しみじみと様子を見ていた私に瑠奈が耳打ちをした。
「そろそろお兄ちゃんを好きになった?」
「えっ? とても良い人だとは、思っているよ」
「良い人で終わらせないでね。楽しみにしてるから」
楽しみにされても困る。今日自分とは、生活水準が違うと感じた。
だから、やはり蓮斗さんとは合わないと思ったのに……でも、こうやって話をしていると、隔たりがないようにも感じてしまう。
瑠奈のお兄さんだからなのかな。
「作り笑いって、そんなつもりはないけど。でも、心から笑っていなかったのは確かかもな」
「蓮斗……だから、それを作り笑いっていうんだよ。蓮斗はわかっているようで、わかっていないから心配になる」
「涼輔に心配されたくない」
「弟が兄を心配するのは、当たり前だろ」
蓮斗さんと涼輔さんは、長年の友だちで気心が知れた関係だ。それに、今は義理の兄弟である。
ふたりの絆は友だちを超えていて、素敵だなと思う。
しみじみと様子を見ていた私に瑠奈が耳打ちをした。
「そろそろお兄ちゃんを好きになった?」
「えっ? とても良い人だとは、思っているよ」
「良い人で終わらせないでね。楽しみにしてるから」
楽しみにされても困る。今日自分とは、生活水準が違うと感じた。
だから、やはり蓮斗さんとは合わないと思ったのに……でも、こうやって話をしていると、隔たりがないようにも感じてしまう。
瑠奈のお兄さんだからなのかな。