その手をつかんで
社員食堂の厨房では、スタッフ全員が忙しそうに動いていた。少しの時間をもらい、簡単に挨拶。
私が本格的にここで働くのは、明日からだ。午後は前任者からの引継ぎ業務が予定されている。
前任者の勤務は明日までとなっていて、今日の午前中と明日は有給消化。
杉田くんは、その後専務室まで案内してくれた。ドアをノックすると中から「どうぞ」と蓮斗さんの声が聞こえる。
軽く髪型を直して、顔を引き締めた。
「野崎さんをお連れしました」
「ああ、ありがとう。野崎さん、このたびは入社おめでとうございます」
会社だからなのか、杉田くんの前だからなのか、蓮斗さんは私を苗字で呼んだ。
私も他人行儀風に「ありがとうございます」と返す。
蓮斗さんは柔和な笑みを浮かべたあと、杉田くんを見る。
「野崎さんと社食を利用するので、君は戻っていいですよ」
「わかりました。野崎さん、引継ぎは部の共有スペースでやるから、時間になったら来てくれる?」
「うん、わかった。1時半には行くね」
「よろしく。では、失礼いたします」
私が本格的にここで働くのは、明日からだ。午後は前任者からの引継ぎ業務が予定されている。
前任者の勤務は明日までとなっていて、今日の午前中と明日は有給消化。
杉田くんは、その後専務室まで案内してくれた。ドアをノックすると中から「どうぞ」と蓮斗さんの声が聞こえる。
軽く髪型を直して、顔を引き締めた。
「野崎さんをお連れしました」
「ああ、ありがとう。野崎さん、このたびは入社おめでとうございます」
会社だからなのか、杉田くんの前だからなのか、蓮斗さんは私を苗字で呼んだ。
私も他人行儀風に「ありがとうございます」と返す。
蓮斗さんは柔和な笑みを浮かべたあと、杉田くんを見る。
「野崎さんと社食を利用するので、君は戻っていいですよ」
「わかりました。野崎さん、引継ぎは部の共有スペースでやるから、時間になったら来てくれる?」
「うん、わかった。1時半には行くね」
「よろしく。では、失礼いたします」