その手をつかんで
そんなたらればをしても、今の私の気持ちに変化はない。
蓮斗さんがグイッと私の顔に接近してきた。近くに来られたら、毛穴が気になってしまう。開いてないかな……。
モゾモゾとお尻を後ろへと動かす。近くで見られるのは、どうも居心地が良くない。堂々とお見せできるほどの自身がある顔面をしていない。
反して、蓮斗さんの顔は整っていて、肌もきれいだ。
私の顔に寄らないで……距離を取ろうとする私の腕を蓮斗さんが掴んだ。思わずビクッと体を揺らす。
「どうして離れようとする?」
「だって、毛穴が……じゃなくて、ここ会社ですし、もし誰かに見られたら誤解されてしまうかもしれませんよ」
「どういう誤解?」
「私たちが親しいとか」
蓮斗さんは不機嫌そうな顔をして、私に身を寄せた。
離れるどころか、接近されるとは……。
「誤解されたくない理由でもある? やっぱ杉田くんに知られたくない?」
「えっ、杉田くん?」
何でまだ杉田くんを出すのだろうか。
好きではなかったと答えたよね?
「再会して、さらにかっこよくなっていたからときめいた?」
「ときめく? 杉田くんに?」
「そう。違う?」
「違います! 全然ときめいていないですよ」
蓮斗さんがグイッと私の顔に接近してきた。近くに来られたら、毛穴が気になってしまう。開いてないかな……。
モゾモゾとお尻を後ろへと動かす。近くで見られるのは、どうも居心地が良くない。堂々とお見せできるほどの自身がある顔面をしていない。
反して、蓮斗さんの顔は整っていて、肌もきれいだ。
私の顔に寄らないで……距離を取ろうとする私の腕を蓮斗さんが掴んだ。思わずビクッと体を揺らす。
「どうして離れようとする?」
「だって、毛穴が……じゃなくて、ここ会社ですし、もし誰かに見られたら誤解されてしまうかもしれませんよ」
「どういう誤解?」
「私たちが親しいとか」
蓮斗さんは不機嫌そうな顔をして、私に身を寄せた。
離れるどころか、接近されるとは……。
「誤解されたくない理由でもある? やっぱ杉田くんに知られたくない?」
「えっ、杉田くん?」
何でまだ杉田くんを出すのだろうか。
好きではなかったと答えたよね?
「再会して、さらにかっこよくなっていたからときめいた?」
「ときめく? 杉田くんに?」
「そう。違う?」
「違います! 全然ときめいていないですよ」