その手をつかんで
瑠奈と蓮斗さんが「お父さん!」と声を揃えた。
蓮斗さんまでもが私の隣に来る。
「明日花を傷付けないで。勝手に婚約者にしたのは、俺だから」
「お兄ちゃんがお父さんにちゃんと話さないから、こんなことになったのよ」
瑠奈に責められて、蓮斗さんは「ごめん」と謝った。
「どういうことだ?」
お父さんに説明を求められて、立っていた私たちはまず座った。感情的にならずに話を進めていく。
私が蓮斗さんの婚約者だというのを、拡散したのはゆかりさんだった。
彼女は私たちの仲を裂くために、瑠奈と蓮斗さんを騙して婚約者になったという嘘の情報も加えていた。
噂は少しずつ広まっていたが、私たち当人の耳には届いていない。
お父さんは、知人から知らされたそうだ。そこで、激怒して瑠奈に私と会わせるようにと頼んだ。
「お兄ちゃんに瑠奈をオススメしたのは、私よ」
「瑠奈からのオススメには感謝している。明日花を他の男に取られないようにと、強引に仮の婚約者にしたのは俺なんだ。だから、明日花は何も悪くない」
蓮斗さんまでもが私の隣に来る。
「明日花を傷付けないで。勝手に婚約者にしたのは、俺だから」
「お兄ちゃんがお父さんにちゃんと話さないから、こんなことになったのよ」
瑠奈に責められて、蓮斗さんは「ごめん」と謝った。
「どういうことだ?」
お父さんに説明を求められて、立っていた私たちはまず座った。感情的にならずに話を進めていく。
私が蓮斗さんの婚約者だというのを、拡散したのはゆかりさんだった。
彼女は私たちの仲を裂くために、瑠奈と蓮斗さんを騙して婚約者になったという嘘の情報も加えていた。
噂は少しずつ広まっていたが、私たち当人の耳には届いていない。
お父さんは、知人から知らされたそうだ。そこで、激怒して瑠奈に私と会わせるようにと頼んだ。
「お兄ちゃんに瑠奈をオススメしたのは、私よ」
「瑠奈からのオススメには感謝している。明日花を他の男に取られないようにと、強引に仮の婚約者にしたのは俺なんだ。だから、明日花は何も悪くない」