その手をつかんで
もう蓮斗さんに妙な義理立てする必要はない。前に突然キャンセルしてしまったのを申し訳ないと思っていたから、まだ誘ってもらえてうれしかった。

この会社で働いていく上で、杉田くんとは仲良くしたい。

私の返事に少々前のめりになった杉田くんの肩を総務部の男性が掴む。

その人は、私たちよりも二、三歳くらい年上だと思われる人で体型が杉田くんとよく似ている。

ふたりとも身長175センチ位で、少しがっしりしている。


「杉田、聞こえたぞ。何サラッと誘ってるんだよ？　俺も入れて」

「えっ、伊藤さんも？」

「あ、私も混ぜて！」

「ええっ、小川さんもですか？」


結局伊藤さんの他に、小川さんという女性も加わって四人で食事することになった。私は他の社員の人とも仲良くなれるチャンスと喜んだが、杉田くんは渋々といった感じだった。

早い方がいいということで、翌日の仕事帰りに私たちは会社近くにある居酒屋に入る。

やはり伊藤さんは二歳年上で、小川さんは四歳年上。

それぞれ食べたい物、飲みたい物を頼んで、まずは「お疲れ様」と乾杯。
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